クボタ機工株式会社は社名変更しました。詳しくはこちら

News

News

ニュースリリース

サビ検知AI技術を応用しポンプ内サビ検知AIを共同開発

2020年07月28日

クボタ機工は、企業の様々な課題を解決するためのAI(人工知能)ソリューション「AMY(エイミー)」を開発・提供するAutomagi株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:櫻井 将彦、以下、Automagi)と共同で、業界初となる排水機場の河川ポンプ内のサビをAIが検知するツールを開発したことをお知らせいたします。

■開発に至る背景と課題

河川ポンプは大型河川において、降水量が増加した際に本川から支川へ逆流するのを防ぐための樋門(ひもん)が閉じられた際、行き場を失った支川の水流を本川へ汲み出すために排水機場に設置されている設備です。

クボタ機工は全国の河川ポンプを管理保全しており、各自治体や事業会社からの要請を受け、1箇所に対し、実地での撮影点検、判定、報告書作成までを2、3人の点検員が1週間〜2週間ほどかけて実施していました。

ポンプの点検方法は、内視鏡カメラをポンプ内に挿入し、映し出された映像を人が目視で確認するもので、内部の腐食・異常を発見するのに時間がかかる、判定するのに一定の経験や技術習得が必要という課題を抱えていました。

 

■ツールの概要

内視鏡カメラで撮影された動画データをクラウド環境上のAIに転送し解析すると、元の動画上のサビがある箇所に対して劣化度ごとに色付けされたデータを確認することができます。

このツールはクボタ機工がこれまで点検した動画データをもとに教師データを作成し、Automagiの保有するサビ検知AIの開発技術を応用して共同開発されました。

サビ検知AIは深層学習による画像映像解析を活用しています。Automagi独自技術も併用し、膨大なサビデータを学習させたモデルによって、画像や動画からサビを98%の精度で検知、腐食の進行度に応じた劣化レベルの表現を可能にします。

これにより、人では取りこぼしてしまっていた箇所まで網羅的に検知ができ、補修の必要性を判断するサポートを受けることができます。また、動画のどの部分が特に劣化度が大きいかが可視化されるため、全体の点検の効率化にも繋がります。加えてAIが統一基準で検知するため、人による判定のばらつきもなくすことができます。

従来は左の画像元に人がそれぞれの基準で判断していました。サビ部分が検知されかつ劣化度も可視化されています。従来の診断手法と比較し、より定量的にかつ客観的な診断が可能となります。

AIを活用した内視鏡カメラ診断

 ■展示会でのツール公開について

本ツールは7月29日(水)〜7月31日(金)にインテックス大阪にて実施される「メンテナンス・レジリエンスOSAKA2020」にて、クボタ機工が出展するブースにて、公開いたします。

会期中は動画での出力結果デモを数パターン展示予定です。当日は本ツールの他にも「ウェアラブル端末を用いたポンプ点検・遠隔支援」や「3Dデータを用いた劣化診断」などを紹介いたします。

■今後の展開

今後は、まず今回開発したツールを運用しデータを追加していくことで、より精度の高いエンジンの開発を継続してまいります。追加で、目視で判断していたサビ以外の劣化や異常も並行して検知するモデルを構築しており、順次実装を予定しているほか、現地ですぐに結果が見られるリアルタイム化も見据えて検証・開発を進めていく計画です。

関連リンク

ページの先頭へ